ぜんそく(喘息)の治療
一般的にぜんそくは気管支喘息(きかんしぜんそく)のことをさし、慢性的に気管支(または気道)の粘膜が炎症をおこす病気です。呼吸困難の発作や喘鳴(ゼーゼーやヒューヒューと音を立て息苦しくなる状態)、咳などの症状をおこします。
ぜんそくの原因は様々ですが、多くは気管支にアレルギー反応が起きて発症します。その他にも、運動や薬剤が原因となって発症することがあります。
初回の治療について
ぜんそくの治療については、気管支の炎症を主に吸入ステロイド薬をつかってコントロールしていくことが一般的です。また、症状によっては、気管支拡張作用のある注射をしたり、点滴をすることで炎症をおさえます。症状が改善しない場合は入院をして治療することもあります。
ぜんそくは、お子様の代表的な呼吸器疾患としても知られていますが、成人になって発症することもあります。ぜんそくの症状が疑われる場合は、ぜひ当院にご相談ください。
ぜんそく発作で救急室を受診した後は、当院の受診を検討してください。
病院の救急室に受診した場合、ぜんそく発作と診断されると、強力な抗炎症薬の注射や、気管支拡張薬の投与が行われることが多いです。そのため、速やかに咳や息苦しさの症状は改善します。しかしながら、ぜんそくは慢性の病気であるため、救急受診後も予防薬の吸入を続ける必要があります。救急室の応急治療で症状が改善した後も、治療を継続することをお勧めします。
ぜんそくの治療方針と治療期間について
気道の炎症を抑える吸入薬が基本となります。ぜんそくは、慢性の病気ですので、直ぐに治癒することはありません。根気よく吸入治療を継続することが重要です。重症度に応じて、一定の期間、内服薬を追加します。できれば数ヶ月から半年以上の吸入治療が望ましいと考えます。症状に応じて吸入薬の量を減量していきます。内科医または呼吸器内科医の管理で減らしていくと、安価な治療薬で良い状態が維持できるようになる例が多いです。全く症状がなくなった場合は治療薬の休止を検討します。
よくある質問
なぜ吸入薬なのですか?
吸入薬のほうが、体により優しいことと、気管支の良い状態を長く維持出来ることから、当院では、吸入薬をぜんそく治療の主力としておすすめしています。
ぜんそくの薬は一生つづけないといけないのか?
ぜんそくは自然に改善することがあります。治ったと思っても、気管支の状態が良くない(炎症を起こして気管支が狭くなっている)状態が残っていることがあります。ちょっとしたきっかけ(清掃、ウイルス感染、運動、寒冷など)で症状が再発される方がいます。できれば、気管支の良い状態を維持するため、半年以上の通院治療(吸入薬治療)が望ましいです。治療を続けた場合は、より安価で負担が少ない吸入薬に変更することができます。全く症状が無くなったところで休薬(治療薬無し)となる患者さんも多いです。
喘息の診断のための機械はありますか?
当院には呼気一酸化窒素NO測定機器はありません。必要な場合は、基幹病院などへ紹介可能です。肺機能検査は可能ですが、咳き込みがあると正確なデータを取りにくいです。当院では、聴診器と問診などで判断することが多いです。投薬(気管支拡張薬、吸入ステロイド薬)を行い、その効果をみて診断しています。小児の場合は、より長い経過で判断します。